二ツ亀を過ぎて車道に出たとき,突然サイレンがなった.直後に確認したのだが,この辺りでは12時でなく11時半にサイレンを鳴らすのだそうだ.驚いたのは私だけだった.
ここから勾配のついた車道を上りきったところに左の写真の弾埼(はじきさき)灯台がある.この灯台は私の好きな映画「喜びも悲しみも幾年月」の舞台になった灯台で,写真のように,灯台の近くに「喜びも悲しみも幾歳月之像」が建っている.夫婦の顔はやはり高峰秀子と佐田啓二に似せたのだろう.写真左側の装置は光に反応するようになっており,碑の前に立つと映画の主題歌が流れるようになっている.ただし1番と4番(ちょっと怪しい)だけである.
調べてみると,この映画が公開されたのは1957年である.学校で映画館に観に行ったと思うのだが,公開直後なのか,あるいは数年経ってからのことなのかよくわからない.
夫婦喧嘩をして「実家に帰らせていただきます」となるのだが,離島のため連絡船がしばらくこないという場面をなぜかよく憶えている.その後数回観た.灯台を守るという使命を持って,離島や僻地で生活する様子が丁寧に描かれていて,何か日本社会の安全基盤を支える人たちのたくましさを実感できる映画である.リメイク版もあるのだが,やはり高峰秀子の「喜びも…」が良かったように思う.
映画で,夫婦が弾埼灯台に勤務したのは太平洋戦争が始まった1941年で,戦争が終わる1945年に静岡県の御前崎に転勤している.
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