予定にない企画だったのであまり時間がない.大立竪坑櫓(やぐら)を見に行ったら,最終のバスまで1時間しかなかった.
鉱山の採掘跡を見学しようと切符売り場に行くと「江戸時代と明治以降とどちらにしますか?」という質問が….両方回ると1時間以上かかるという.ただ,ここは気前よく1200円出して共通のチケットを求めた.
写真は,最初に訪ねた江戸時代の宗太夫坑で,重力に逆らって坑内にたまった湧水を排出する水替人足の作業を実物大で再現したものである.水を排出する原理は,在職中にF先生から教えてもらったアルキメデスポンプである.ヨーロッパの技術が遠く佐渡金山まで伝わったらしい.
大急ぎで宗太夫坑を見て,道遊坑コースに向かった.道遊の割戸を見学してバス停にたどり着いたのはバスの発車10分前,気がつくとカメラバッグにかけていたジャケットがない!探しに帰るとバスに間に合わない.タクシー代とジャケットの代金と比較しても結論は出なかったが,結局戻ることにした.
坑道を抜けて割戸まで行こうとしたところ,親切な人がいて車で送ってあげようと….予想したようにジャケットは写真撮影をした高任神社の近くに落ちていた.
さらに金山跡の次に臨時のバス停があるからそこまで送ってあげようと….送ってもらう車の中で「山口から来ました」というと「M先生を知っていますか?」という質問が….M先生というのは元Y大学教授で私もお世話になった先生なのだが,驚いたことに,その人はM先生がK大学の助手をしていたときに卒業研究の指導を受けたのだという.40年以上前のことだが.2-3分の間の話だがM先生の話で盛り上がったのち,何事もなかったかのようにバスに乗った.
世の中狭い.
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