急な誘いにもかかわらず笠戸島までやってきたのには,最近しばしば思い浮かべる私の「推測」の裏付けをとるためだった.これが3番目にして最大の任務だった.
10時半頃には高壺山の山頂に着き,ここから南西に火振岬に向かって延びる尾根に取り付き,ほどなく笠戸特設見張所指揮所跡に到着した.今でこそ笠戸大橋で本土と陸続きになっているが,戦争当時こんな人里離れた場所に写真のようなコンクリート構造物を建設するのはたいへんな事業だっただろうと思った.確認したかったのは,写真の右奥の小さな部屋の地表面近くの壁が黒い塗料で塗られているのではないかということだったが,予測は的中した.そんなわけで充実した1日だった.