吉見漁港に着いてみると,同行の2人はすでに到着していた.あいさつもそこそこに聞いたことは「荒天のため午前中は出港しない」ということだった.
結局話し合いの末,同行の方の車で本土側の角島砲台と観音崎砲台を見学することになった.角島砲台跡を訪ねた頃が天気は最悪で,風も強く午後の出港も危ぶまれた.今日船が出なかったら,そしてもし明朝もダメだったらと車内での議論も湿っぽいものになった.
観音崎砲台の見学はタイムアウトのため砲座跡にたどり着く直前で引き返すことになった.幸運というか,最終便は出航することになった.風はおさまったかに見えたが,実際に港の外に出てみると波が高かった.船底に近い座席から海を見ると,うねりというのだろうか,遠くの海面が高く見え,しばらくするとその高い波の頂部に至り,次の瞬間船が裂けるのではないかというようなドーンという音と衝撃を感じた.これが30分以上続いた.島の人だと思われたが同乗者が何もないように座席に横になって寝ているのには驚いた.
写真は無事島の港に着いた連絡船蓋井丸を撮影したもの.あと少し乗船が続いたら皆船酔い状態になっていただろうというのが同行者の弁であった.