新しく出した本のキャンペーン（と言っても市政記者室で発表するだけだが）のために長崎にやってきた．仕事はちょうど正午に終わり，長崎駅でレンタカーを借りた．行き先は長崎市内だが，もう西海市に限りなく近い神浦（こうのうら）という集落を訪ねるためである．
　68年前に撮られた写真で，２年前からずっと気になっていた写真がある．写真の説明に，長崎と佐世保の間の集落だと書いてあるのをヒントに，コンピュータグラフィックスを使って，おそらくここから撮影したという場所を突き止めた．それがこの場所である．
　眼下の海は角力灘（すもうなだ）で，左側の島が母子（はこ）島，右が炭鉱で有名な池島，その間にある奥の島が大蟇(おおひき）島である．山道を走って３つの島が見える４箇所から撮影，写真の場所が一番昔の写真に近かった．

滞在中は，なぜか日本食を食べようという気にならない．迷った末に最後にたどり着くのは，中国料理か韓国料理である．といっても，純粋な？日本料理がないように，純粋な中国料理というのもなく，やはりアメリカ的にアレンジしてある場合が多い．例が悪いかもしれないが，韓国料理を食べた後に日本風の味噌汁が出てくることがある．
　写真は，ホテルの前にある中国風のレストランで，迷ったらここである．食事代は決まっていて10ドル札でコイン１個のおつりがくるから$9.75なのだろう．お客はアジア系の人が多いのかと思いきや，ありとあらゆる人たちがやってきて，食事時の夕刻はいつも混んでいる．清潔感は今一つといったところだがメニューが多く，自分の舌に合った料理を見つけることができる．エビやビーフなど人気の品が盛られると，たちまちなくなるところは，どこの国でも同じである．

前から一度やってみたいと思っていたが，いつも出発前は忙しくて実現しなかった．今年は日本にいるうちにスマートフォンのSIMロックを解除してもらった．
　実際にこちらで生活してみると，モーテルにも，公文書館にもWiFiがあるので，SIMを替える必要性をほとんど感じない．それでもと，思い立って替えてみることにした．
　一般にはAT&Tで扱っているようだが，「おそらくここにはある」と確信できる店があって，訪ねるとやはりあった．購入する気になったのは店員の態度で，必要以上のことはしゃべらずまったく愛想がないのだ．こういう人の方が話し上手の店員よりもずっと信頼できるというのが私のスタンスだ．
　$25は想定内の金額だったが，通話料をあらかじめ支払っておく必要があるという．最低のチャージが$15で，予定外の出費となった．税金分をまけてもらった．

今日のキーワードは｢春｣だった．
　これまでずっと3月末のワシントンDCは冬支度でやってきた．今回，2週間もずらしてやってきたわけだから，少しは暖かくなってきたかと思いきや，昨日まではやはり冬の服装だった．
　それが今日になって急に暖かくなった．冬支度では｢ちょっと暑い｣という感じである．自分だけそう感じるのかと思いきや，国立公文書館に行くと，｢やっと暖かくなった｣という日本語が聞こえてくる．英語の会話も似たようなものだ．
　写真は滞在しているモーテルの近くの桜で，ようやく春らしくなった．

退職して初めての旅である．と言っても，いつも来ている場所で目新しさはない．そこで，敢えて新しさを出すためにモーテルを変えてみることにした．右の写真がそれで，このチェーン店に滞在するのは初めてだ．
　こちらに来る飛行機の中で読んだ記事はとてもわかりやすかった．メジャーリーグとマイナーリーグの選手の待遇の違いを述べたもので，「マイナーリーグの選手は移動の際に高級ホテルには滞在できず，××クラスのホテルに泊まる」とあった．私が泊まっているのがまさに××クラスのホテルである．

１か月も経たないうちにまた初島にやってきた．連れがあるのが前回とちがうところか？山登りを終えた後に，麓の善福寺を訪ねる．残念ながら前回来たときに会った住職は留守だった．
　実は11月の訪問の後，ネットで善福寺のことを調べると，お寺の境内に山口誓子の句碑があるという，惜しいことをしたと思った矢先に今回の訪問である．お寺の許可を得て句碑を撮影した．
　　花蜜柑追風に香を焚きこめし
とある．花蜜柑というのは夏の季語らしい．自然石を少し加工したと思われる素材の石と，庭に落ちたイチョウの葉がよく調和しているように見えた．

高専ロボコン当日，少し早めにホテルを出て，会場の国技館に向かう．ビデオカメラと三脚が重いので，宿泊するホテルは会場の近くと決めている（もっとも，タクシーを利用すれば何の問題もないのだが）．
　ホテルから国技館に向かう途中に隅田川テラスがあった．少し遠回りでも普通の道路を歩くよりこちらの方が良いと考え自然に足が向く．写真は，藏前橋の下を通っているときに遊覧船が近づいてきて，とっさに撮影したのが左の１枚．印象的な風景だった．
　ロボコンの結果はと言うと，我が校の学生は奮闘したのだが２回戦で敗れた．

25日は東京の国技館で高専ロボコンの全国大会が開催される．応援のために上京するのだが，少し寄り道をして和歌山県の有田市初島に向かった．
　ちょっとした調査なのだが，初島駅に降りて，駅の近くの自転車店で自転車を借り目的地に向かう．頼りは航空写真とスマートフォンのアプリで，目的地はディスプレイに表示されるので，GPSを使用すれば，現在地と目的地の位置関係がわかる．
　航空写真では道路が表示されているのだが，表示されないのは道路の勾配で，ミカンを収穫するための道路で，道幅も狭く勾配がきつい．したがって自転車は往路はほとんど役に立たない．あえぎながら自転車を押していると写真のような景色に出会い，足を止めた．「鈴なり」という表現が正しいのか？とにかくミカンが溢れていて，ミカンの色が青空に映えていた．ちょっと得をした気分になった．

昨日，京都経由で舞鶴に行き，敦賀に宿泊，今日は富山にやってきた．
　ここに来たのは，富山県立図書館で館所蔵の写真を撮影させていただくためで，富山に詳しい同行のK氏の案内で，岩瀬まち歩き散策路のコースにある，「北前船回船問屋森家」を訪ねた（左の写真)．
　建物は明治6年の岩瀬大火でで焼け，明治11年に再建されたと案内板にある．これも受け売りだが，大正時代までは，庭の裏が神通川の船着き場で，玄関から船着き場まで，土間廊下に沿って母屋，台所，庭，道具蔵，米蔵が続いていたのだという．北前船の歴史を感じたひとときだった．

ローマについて4日目，地下鉄の乗り方にも慣れ，今日はローマ観光の定番，コロッセオにやってきた．これもバスのガイドさんのアドバイスだったのだが，コロッセオに行くなら，パランティーノの丘，フォロ・ロマーニとの３箇所の共通券が12ユーロであること，コロッセオでは列ができて購入に時間がかかるからパランティーノの丘で購入した方が良いことなど，実際にその通りだった．
　家を出るときに，持参するカメラのレンズを間違えて，12-24mmの広角レンズを持ってきたのだが，ここではそれが役に立った．写真の右下に観光客が写っている．とにかく大きな構造物だった．